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053「モノクロ写真である意味」

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LEICA MP Anthracite
Leica SUMMICRON-M 50mm F2.0
KODAK T-MAX400


先週末、知り合いに連れられて(Rさんありがとうございました)、
Blitz Galleryで開催されていたトミオ・セイケ写真展"Waterscapes"を見て来ました。

ライカ・カメラのマスターと称され、世界中にコレクターがいるセイケさんの作品はあまりにも別格で、
まるで光と影のポートレート.....と感じながら、
この1枚を部屋に飾れば空間も人生も豊かになるのだろうなぁ...と安易に想像できるほどでもありました。

今回は、銀塩で撮影された写真をデジタルプリントとしての展示でしたが、
正直「手焼き...?」と思うくらいアナログに近かったです。
印画紙も見た事がない質感で、並々ならぬ拘りを感じました。
(きっと、手焼きだったら...と考えると恐ろしいレベルです。)


作品と同時に
今回のトークショーのセッションもテキストにて展示されていました。
この中の質問の1つに気になる問いがありました。



「なぜモノクロなのですか?」と。


この質問は写真業界特有の問いで、
例えると、画家に「なぜ油絵具を使ったのですか?」と聞くようなもののため
個人としてはあまり好きではありません。

しかし、とても気になる質問には違いありません。

質問の後のテキストを目で追うと...












「カラーをほしいと思わないから。もし、今後カラーの作品をほしいと思ったら撮るかもしれません」

と答えられていました。


多くの写真家が同じ質問を受けて色々な考えで答えられていましたが、
初めて目にした「ほしいと思わない」という答えには驚きました。

世界で勝負されている「粋」な部分を垣間みたようにも感じました。




モノクロは心から好きな絵筆の1つですが...
カラーも撮影する自分には...
ここまで言い切れる日がくるのだろうか...。



ふと、考えもしました。





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by nikon_leica | 2009-11-18 00:02 | Leica MP Anthracite | Trackback | Comments(2)
Commented by kawamutsukun at 2009-11-18 01:05
モノクロを長くやっていると、色って邪魔に感じることが多いんです。
もちろん、これは私個人の感覚なので、他の方がどう感じるかは分かりませんけど。
逆に、一年に一度くらいは猛烈にカラーが撮りたくなることがあります。
そういう時は素直にカラーで撮ってみたりしますけれど、なんだか自分の写真じゃないような気がして、あまり愛着がもてませんね。
Commented by nikon_leica at 2009-11-18 10:30
kawamutsukunさん>
カワムツさんの作品を拝見させて頂いていますと、その場の空気や雰囲気、背景にある人の情まで感じるときがあります。
色では感動出来ない感覚を感じます。
モノクロという絵筆が本当に合われているのですね。
色は邪魔に感じるときが...。
この言葉も深いなぁと思いました。
私は「色に目を奪われないように、想いだけを見てもらいたいから」と答えています。
トミオ・セイケさんや、カワムツさんのような、もう一歩先へ進んだ答えが出来ると良いのですが...。
そういえば、渡部さとるさんの答えも好きだったりします。「私は色を見ているのではなくて、全てをトーンで見ている」
モノクロを選ばれている意味...作家の数だけありそうですね。
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写真に心を、写真に想いを、写真に人生を。


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