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059「セバスチャン・サルガド。そして、木村伊兵衛とブレッソンの写真展」

059「セバスチャン・サルガド。そして、木村伊兵衛とブレッソンの写真展」_c0174866_205285.jpg


NIKON F6
Ai-S Nikkor 35mm F2
KODAK T-MAX400


本日、東京都写真美術館で開催されている「セバスチャン・サルガド アフリカ〜生きとし生けるものの未来へ」展と、「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン〜東洋と西洋のまなざし」展を見てきました。

多分、この写真家3人の展示を一つの場所で、同時に見れる機会はもう2度と無いのでは...と思います(※展示会場は別々です)。
見終わった後、大げさですが「生きていて良かった」とさえ感じました。

どの作家の写真も、別の展示会や写真集で見た事がある作品が多々ありましたが、
会場で、何度見ても、どれだけ見ても飽きない美しさと存在力、生のプリントだけが持つ無限の力をひしひしと感じずには要られませんでした...。


セバスチャン・サルガドの大きくプリントされた作品からは、まるで写っている人の心の声まで聞こえそうな存在感と、風に舞う砂埃まで伝わってくるリアルさに終始圧倒され続けました。

木村伊兵衛のプリントは、冷静に町並みを捉え、生活の営みから人々の素晴らしさを垣間見せてくれる作品でホッとさせらながらも、その二度と無い時間の大切さを学べるような時間を過ごせました。

アンリ・カルティエ=ブレッソンは、幾度となく拝見し、心で感じた写真であっても、鼓動が高まるのを抑えられませんでした。



3人の写真家の作品からは、写真を信じる信念と言い訳のない完璧さ、

一瞬への追求と拘り、そして繊細でありながら心奮わす力強さが感じられ、改めて深く心に響きました。


ご興味がある方、お勧めです。

※今週末12月13日で、「セバスチャン・サルガド アフリカ〜生きとし生けるものの未来へ」展は終了しますので、ご注意ください。



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ちなみに、これを話すとかなり驚かれるのですが...

私の写真への取り組み方の基礎はブレッソンの作品から影響を受けました。

10年以上前、写真を始めた頃に知ったノートリミングの美学、完璧な構図、写真芸術の視点、そしてライカと単焦点レンズの在り方...多くの事に共感し憧れ、現在に至ります。
(ですので、2004年、ブレッソンが亡くなったニュースを聞いた時は本当にショックでした...。)



少し前、ある写真家さんが「ノートリで黒フチを出してカッコ良くするのは卑怯だ」と語っていて、

私は一度も黒フチ写真をカッコいいと思った事はなかったので、この考えに驚きました...。

トリミングも写真表現の一つですから私は全く否定しませんし、どちらかが卑怯とも考えた事もありません。

ただ、ブレッソンと同じような言い訳の効かない1枚をいつかは撮ってみたいとは思っています。

純粋に、そういう1枚に心から憧れています。

現在、ライカを手にして撮影しながらプリントしていると、

ライカを使用されたサルガド、木村伊兵衛、ブレッソンがどれだけ雲の上の存在かがよく分かります。

技術力は遥か遠く及ばなくても、素晴らしい写真の存在をしっかりと胸に刻み続け

写真を信じる心は同じライン上で在りたいと願っています。

以上、余談にて...。





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by nikon_leica | 2009-12-09 20:20 | NIKON F6 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2009-12-10 19:22
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by nikon_leica at 2009-12-10 21:57
KEIさん>
おお!!行かれたのですね^^
今回のはかなり贅沢ですよね。
私も東京都写真美術館に行くようになって、10年以上立ちますが、ここまでのレベルの同時開催は初めて見ました...見れて、本当に幸せでした。
6日行こうか迷ったのですが...会場で久しぶりにお会いしたかったです。
Commented by Leitica at 2009-12-12 03:34
僕も皆さん愛しています。
サルガドのみ行きましたので、
近いうちに行ってこようと思っています。
本当に何度同じ写真を見ても
いいなぁと思ってしまいますね。
Commented by nikon_leica at 2009-12-13 00:32
Leiticaさん>
サルガドは既に行かれたのですね!?
どの作品も、写真史に残る素晴らしい作品で、とても良い刺激をもらえる写真展でした。
そして、何度見てもいいなぁ...と思える永遠な写真、改めて憧れました。
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写真に心を、写真に想いを、写真に人生を。


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